「スケールモデル祭り2024」エントリー作品をご紹介します。
モデラーネーム:餃子大王
作品タイトル:1/80 京都市電1800型 1900型
使用キット: 岩橋商会京都市電1800型 1900型キット
製作コメント:
昔京都の町を走っていた京都市電の1800型と1900型です。少し小柄な車両が1800型です。
大型の1900型は広島電鉄に移籍し現在も元気に走っています。
1800型は現在各所に保存されており、作品は平安神宮に保存されているナンバーです。
・作品について
この模型は私が長年欲しかったキットで、数ある京都市電の中で最もスタイルが良く京都市電らしさが出ているキットです。
しかしながらガレージキットでもあり生産もかなり前に終了しており半ば諦めていました。
今から3年前関東の知り合いの方から「もう年だから誰かに譲りたい」ということで譲り受けました。
どんな感じで組み立てるか考えていた矢先、元のオーナーさんが旅行中に急逝されたことを知りました。
仲の良かった方でしたので驚きもあったのですが、最後に交わした何気ない「必ず完成させてくださいね」という言葉が頭の中をグルグルと駆け回ってなかなか手を付けられずにいました。
昨年夏頃から手を付け始め車体が組みあがった頃に色をどうしようか迷っていた時に関東のイベントに行く機会があり、その時に元のオーナーさんが所属され
ていたクラブの方とお会いすることができ、遺品の中から京都市電用の塗料が見つかったということで受け取ることができました。
何か不思議な縁を感じそれからは元のオーナーさんが何を考えていたかを想像しながら私の色も入れつつ組み立てました。台車の複雑な集電構造(写真3)は前のオーナーさんの技術で非常に良い集電性能を発揮します。
また、車体下部のグリーンは前のオーナーさんの調色された色をそのまま使っています。通常鉄道模型は左右の線路から電気を取って走行する2線式ですが、この2両の車両は2線式に加え、実物同様屋根にあるパンタグラフから集電して走行することもできます(写真4)。
今年また関東の同じイベントに行くことができ、前のオーナーさんが所属されていた方のご厚意もあり、前のオーナーさんが製作された路面モジュール上を走らせて頂きすごく喜んで頂きました(写真5)。「とにかく手を動かす人が好きな人だったから絶対喜んでますよ」という言葉を掛けて頂いた際には少し涙が出ました。前のオーナーさんは非常に腕の良い方だったので怒られる点ばかりかもしれませんがとりあえず完成したので少し肩の荷が下りた気がします。
・苦労した点について
この模型はライト類は全て非点灯仕様でしたので、点灯化するには非常に苦労しました。小さなライトパーツをくりぬく際は目がチカチカしました。
この模型は全面がロストワックスで内側がボコボコで組みにくいと聞いていましたが、前のオーナーさんが全て平面化処理をして頂いていたので組みやすく
なっていました。路面電車はバスと同じく系統番号を掛ける番号掛けがあるので今回は系統番号は差し替えられるようにし少し遊べるようにしています(写真2)。
側面の保護棒は実車ではかなり目立つパーツですが、模型となると保護棒を支えるパーツを取り付ける穴と柱がほぼ同じ大きさなので取り付けには苦労しました。
難しいところも多かったですが、一部は前のオーナーさんがすでに加工をしてくれていたのでものすごく助かりました。「必ず完成させます」というお約束は守れたので良かったのと元のオーナーさんが作った線路上で走らせることができたことは少し恩返しができたような気がします。
長く模型をやってきましたが初めての経験でしたが、最終的に模型をやっててよかったなあとも思える作品になりました。
「スケールモデル祭り2024」エントリー作品のおひろめ放送は、
2025年1月にTOYラジのYouTubeLIVEで配信予定です。
これまでのスケールモデル祭りのアーカイブはこちら↓↓↓✨